潜在精巣について

先日、猫の潜在精巣の摘出手術を行いました。1日に数件の手術を行う当センターでも、猫の潜在精巣は非常に稀です。
猫は稀ですが犬ではよくあることなので、本日は潜在精巣についてお話します。
 
潜在精巣とは、精巣が適切な時期に陰嚢へ下降せず、お腹の中や鼠径部(後肢の付け根の皮膚の部分)に留まってしまう状態で、「陰睾」、「停留睾丸」などとも呼ばれます。
片側の場合もあれば、両側の場合もあります。
 
~原因~
遺伝的な要因があると考えられています。
 
~症状~
潜在精巣の場合、自覚症状はありません。
そのため潜在精巣かどうかを調べるためには、生後半年を過ぎた時期に陰嚢を触ってみて精巣が2つあるかどうか確認し、2つなければ潜在精巣を疑います。
きちんとした位置に精巣がないと、陰嚢内よりも温度が高い状態にあるため、精巣腫瘍の発生頻度が上がると考えられています。
精巣腫瘍の予防として、潜在精巣を摘出する手術を行います。
中年齢を過ぎると精巣が腫瘍化するリスクが高まるので、若齢の時の手術をお勧めしています。
その他にも、潜在精巣があることで異常発情(精巣の痛みが関与すると言われています。)や繁殖能力の低下がみられます。(潜在精巣は遺伝性疾患ですので、倫理的にも繁殖には適しません。)
 
潜在精巣ではなくても、去勢手術は重要です。
病気の予防目的・生理的ストレスを含む問題行動の抑制目的・避妊目的(望まない繁殖抑制・ドッグランでのマナー)から、メリットが多いと考えています。
 
 
ご不明な点がございましたら、お気軽に当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代 動物病院)
動物看護師(チーフマネージャー)
濱田 将平