前立腺肥大症について

今回は、雄の高齢犬にみられる前立腺肥大症をご紹介します。
 
 
前立腺肥大症とは、前立腺が大きくなり二次的に様々な障害を引き起こす病気です。
去勢をしていない6歳以上の雄犬に多く、原因は精巣から分泌される男性ホルモンの乱れが原因だと言われています。
 
二次的な障害(症状)
①排便障害
肥大した前立腺が直腸を圧迫することでおこります。細い便がでたり、しぶりがあります。
②排尿障害
肥大することで、前立腺の中央を通る尿道を圧迫することでおこります。尿が出にくくなる為、少量の尿を何度もするようになります。(頻回尿)
③前立腺炎
肥大した前立腺は、炎症を起こす時があります。血尿や、排尿時に痛みが現れます。
④会陰ヘルニア・鼠径ヘルニア
肥大した前立腺が骨盤腔を占領する為、追い出されるように腸や膀胱等が筋肉を破って逸脱してしまいます。また。高齢になると男性ホルモンの乱れが筋萎縮を促進させ、ヘルニアを起こしやすくなります。
⑤前立腺癌
肥大すると、癌にもなりやすくなります。前立腺癌は悪性度が非常に高く転移しやすい為、手術をしても予後が非常に悪いです。
 
二次的な障害があると症状に出ますが、肥大するだけでは無症状のことが多く、健康診断や診察時(エコー検査、直腸検査、レントゲン検査など)に発見されることが多いです。
 
治療や予防は、去勢手術が第一になります!
当センターでは、前立腺の病気の予防だけではなくマーキング等の問題行動の抑制から、若いうちの去勢手術をオススメしています!!
 
 
ご不明な点がございましたら、当センターまでご相談ください!
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区動物病院)
動物看護師
上田 果奈