肺水腫について

最近、紹介や急患での肺水腫症例が多い為、病態に関してご紹介したいと思います。
 
 
肺水腫とは簡単に言うと肺に水が溜まってしまうことをいいます。
肺胞に水分が貯まるため、酸素と二酸化炭素の交換が邪魔されてしまい、呼吸困難を起こしてしまいます。
 
肺水腫が起こる原因は大きく分けて2つあり、
心臓に疾患を持っていることが原因で起こる「心原性肺水腫」
と心臓以外が原因の「非心原性肺水腫」
に分かれますが、ほとんどが心臓が原因(僧帽弁閉鎖不全が多い)の心原性肺水腫が多いと言われています。
 
症状としては、
・呼吸困難
・激しい咳
・前足を突っ張る
・座れず苦しそうにうろうろする
・チアノーゼ
・苦しそうにして夜眠れない
・血の混じったような泡がでる
などが挙げられます。
 
治療法は、酸素室に安静にしてもらいながら、利尿剤を使ってあげて肺に溜まっている水分を出してあげることなどが大切になってきます。
肺炎に比べると早い改善が望めますが、病態が急性なのでいかに早く利尿剤が効き改善してくれるかがポイントになります。(病態によっても異なりますが、3日の集中治療が必要です。)
肺水腫が落ち着いたら、心臓病などの基礎疾患の治療を行い、肺水腫を再発しないようにします。
 
肺水腫は急性におこり命に関わる危険な病気ですので、心疾患の子がいつもと様子が違ったり、前記述の症状が見られたらすぐに病院へ連れて行くことをオススメします。
早めに連れて行くことで予後がとても変わる疾患なので、肺水腫を疑った場合は迷わず病院に行ってください。
 
 
何かご不明な点がありましたら、当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター(福岡市博多区千代)
動物看護師
上田 果奈