外耳炎について

外耳炎について👂
 
外耳炎とは、水平・垂直耳道の上皮に炎症が起こった状態です。
 
外耳炎になりやすい犬種🐩
バセットハウンドやゴールデンレトリーバーなどの垂れ耳の犬種や、プードルやミニチュアシュナウザーなどの耳毛が多い犬種で多く発生するといわれますが、あらゆる品種でよく認められる疾患です。
ただし、コッカースパニエルは他の犬種にはないような耳道の角化異常がおこり、耳道閉塞が起こりやすいので特に注意が必要です。
 
外耳炎になる原因🦠
細菌感染、酵母菌(マラセチアなど)感染、寄生虫(ミミヒゼンダニなど)が一般的ですが、酵母菌以外の真菌感染、異物(植物・種子など)、腫瘍が原因になることもあります。
ただし、根本的な原因としてアトピーなどによる皮膚炎や甲状腺機能低下症などの基礎疾患が存在していることもあります。この場合は、耳垢検査で細菌感染が明らかになって抗生物質による治療をしてもなかなか良くならないため、基礎疾患の治療を進めることが重要となります。
 
外耳炎の症状🐶
頭をしきりに振ったり、後肢で耳を掻いたりする、クリーム状や黒色状などの独特な匂いのする分泌物がみられる、耳介や耳道が赤くなる、などがあります。
 
治療について🩺
内科的な治療法は、耳道の洗浄により耳垢を取り除き、原因に合わせた点耳薬を点耳します。
炎症がひどい場合には、動物も痛みを感じるので、鎮静剤が必要になる場合もあります。
急性期に動物が耳の洗浄を嫌がり適切な処置ができない場合でも、点耳薬や、内服薬の処方の結果、炎症が治まり、痛みが緩和した後には処置が可能となる場合もあります。
 
⚠️綿棒による耳道の洗浄は、やり過ぎるとかえって耳道を傷つけ炎症を悪化させる恐れがあるため、注意が必要です。
 
 
愛犬、愛猫の気になる点や、ご不明な点がございましたら当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター
トリマー
西 七海
 
 
写真
チクサン出版社
ビジュアルで学ぶ動物看護学より引用