コクシジウム症について

今回は、コクシジウム症についてご紹介します。
 
コクシジウムとは寄生虫の原虫とよばれるものの一種で、腸に寄生して腸の細胞を壊して増殖するため下痢や消化不良の原因になります。
 
<症状>
主な症状は、下痢や嘔吐です。
腸の状態が悪いため、他の細菌やウイルス疾患を併発していることもあり、その場合は元気消失・食欲低下・発熱などの症状を示すこともあります。
また、小さい子ほど症状が出やすく、大人になると感染していても全く症状が出ない場合も多くあります。子犬や子猫は、コクシジウム感染後の食欲低下による低血糖で来院されるケースが多いように感じます。
 
<治療>
コクシジウム感染がある場合は、内服薬での治療になります。
1度の投与では落としきれない場合もあるので、その際は数回にわたって薬の投与が必要になります。
 
<消毒など>
コクシジウムの卵はとても強固なもので、通常の消毒剤や洗剤では死滅しません。
そのため、薬で治療してもカーペットや床に目に見えない卵が落ちていると再感染の可能性があります。
コクシジウム症と診断されたらウンチはすぐに片づけ、トイレやタオル類もできるだけこまめに熱湯で消毒しましょう。
また同居の子がいる場合は感染の恐れもあるので、治療が終わるまではなるべく接触しないようにしましょう。
 
 
今回はコクシジウムについて簡単に説明させて頂きました。今後も皆様に有益な情報を発信していきます。
何かご不明な点があれば、お気軽に当センターへご相談ください。
 
 
 
博多犬猫医療センター
動物看護師
濱田 将平